冬に黙祷
ギャグマンガ日和の新刊を買った。
この本のポテンシャルを最大限に活かす為図書館で読んでいる。ギャグ漫画というものは図書館とか静かな場所で笑いを抑えながら読むのが一番面白いのである。本当は皮膚科の待合室で読みたい所だが生憎今のところ皮膚に疾患はない。
ぼくは小さい頃肌が弱く皮膚科に通いがちだった。皮膚科の待合室は静かで薬の匂いがして壁にはグロテスクな水虫やらの写真がたくさん貼ってあって苦手だった。しかしそこには漫画がたくさんあった。そこで待ち時間笑いを殺しながらいつも読んでいたボボボーボボーボボが本当に面白かったのである。
ある日自分で買ったのだが家で読むとこれが全く面白くないのだ。全く作者には失礼な話だけど。
アイスは暑いところで、おでんは寒いところで。が一番なのだ。
星空に虹がかかるように南国に降る雪のように。
は?
「ギャグマンガ日和」という言葉の意味を考えたとき、やはりお葬式なのではないかと思う。
ギャグ漫画のポテンシャルを最大限に引き出すのはきっとお葬式の日なのだ。しかしそれは逆にお葬式のポテンシャルを殺すことと同義なのである。
この時、おでんに殺された寒さの気持ちを、アイスに殺された暑さの気持ちを皆さんは考えただろうか?今まで考えたことがあっただろうか。殺された夏に、冬に黙祷を捧げましょう。
暑いのと寒いのどちらが好きかと聞かれると私は寒いほうが好きだ。
暑さから逃れたとき。クーラーの効いた部屋に入る。アイスを食べる。ジュースを飲む快楽よりも。寒さから逃れたときの快楽、暖かい布団に入ったとき、うどんを食べたとき、人肌に触れたときの快楽の方がずっと人間的ではないだろうか。
以上
-0.3度の福島より。